あなたは「真面目な性格」と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?

「しっかりしている」「誠実そう」など、プラスのイメージを持っている人もいれば「堅苦しい」「融通が利かない」など、マイナスのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

真面目な性格と言うのは、自分でうまく活かすことができていれば、人から信頼されることにもつながりますが、活かし方を間違えると自分や周りの人を傷つけてしまうことにつながる場合もあります。

そこで今回は、真面目がゆえに同僚を注意したことがきっかけとなり職場で孤立してしまい、転職に踏み切ったKさんのエピソードをご紹介します。

同僚に注意したことがきっかけで孤立。真面目ってダメなこと?

注意をする女性

転職相談に来られたKさんは、30代後半の経理職の女性。

清潔感があり上品な印象の人ですが、表情は暗く、とても落ち込んでいる様子でした。
そんなKさんから最初に飛び出したのはこんな質問でした。

真面目ってダメなことなのでしょうか?」

詳しくお話を伺うと、仕事中におしゃべりばかりしている同僚数名をKさんが注意したところ、陰口を言われるようになり、職場で完全に孤立してしまったとのこと。
直接的ないじめなどには発展していないものの、影で「Kさんって仕事はできるけど、真面目すぎてつまらない」「上司に気に入られようとしてるよね」などと言われているのを聞いてしまったそうです。

上司からは、周りに流されずに一人コツコツ仕事に取り組んでいたことを評価されていたKさん。
思い切ってその上司に今の状況について相談したところ「まぁ、うまくやってよ」と言われただけで結局何も改善されず、どうしたら良いかわからなくなってしまい、転職相談に訪れたということでした。

「でも私、間違ったことをしたとは思っていません」と言うKさん。

そのKさんのまっすぐな眼差しを見て、責任感や当事者意識がとても強く、ひたむきに仕事と向き合ってきた人なのだということを感じました。

真面目な人は自分にも他人にも厳しくなりがち

真面目な人は他人にも厳しくなりがち。

真面目な性格の人は、Kさんのような衝突がときどきあります。
なぜかというと、真面目な人は自分に対して「これは良い」「これはダメ」と厳しくジャッジしていることが多いため、自然と他人のことも厳しくジャッジしてしまう傾向があるからです。

でも、人の性格や価値観は本当にさまざま。
必ずしも自分の常識が通用するとは限りません。

たとえば、一見おしゃべりをしている不真面目そうな人でも、実は職場の雰囲気を和らげるために一生懸命まわりに話しかけているということもあるかもしれません。
このような場合でも、真面目な人は「職場でおしゃべりをすること=サボっている、ダメなこと」という認識で注意をします。
すると、注意された側は「一生懸命頑張っているのに否定された。全然わかってくれない」と思ったりするわけです。

でもこういうことって、第三者から見ると、どちらが悪いと簡単には言えませんよね。
実は、どちらのタイプも会社には必要なのです。

真面目な人は、決められた規則をしっかりと守り、手抜きや妥協をせず、完璧を目指してしっかりと仕事を頑張れるところなどが強みですが、「自分こそが正しい」と自分の価値観を押し付けてしまうと周りからうとましがられ、空回りをしたり、独りよがりになる場合があります。

価値観は人それぞれだということを理解して、自分に対しても他人に対しても少しだけおおらかになると、さらに人間的に魅力が向上するかもしれません。

Kさんのこれまでの経緯

経理の仕事

Kさんは新卒で事務職として企業に入社され、その後、結婚を機に退職されました。
そして「再就職の時に活かせるようなスキルを身につけたい」という思いから、子育て中に独学で簿記の勉強を開始。
お子さんが小学校に上がったころ、取得した簿記3級の資格を活かして派遣社員として経理の仕事に就き、数年後、お子さんの手が離れたため、正社員として今の会社に入社しました。

転職相談に来られた時点では、まだ入社して3ヵ月ほど。
「せっかく正社員として入社できたので、もったいないという気持ちもあるのですが、どうしても改善が難しく、もう今の会社には居づらくて・・・」とのことでした。

同僚とは価値観の違いでギクシャクしてしまったものの、しっかりとした芯があり、コツコツ頑張ることができるKさんを評価してくれる会社はたくさんあるはず。
Kさんが、もっとKさんらしく特長を発揮して働ける企業に出会えるようにと、転職活動をスタートしました。

良いところはいっぱい!それでも面接でお見送りが続出。人間味が伝わっていない?

転職に悩む女性

Kさんは、これまでの経理の仕事自体には非常にやりがいを感じていたため、経理職を中心に求人を探していくことにしました。

仕事と並行しながらの転職活動は大変なので、「〇日までに職務経歴書を作成して下さいね」とお伝えしていても「忙しくてまだ作れていません」となってしまう人が結構います。

そんな中Kさんは、どんなことでもしっかりと期日までに取り組んでくれていました。
仕事をしながら、母として家事もこなしつつ、転職活動もきちんと計画的に取り組める。
Kさん自身は「当たり前のことですから」と言っていましたが、自分では当たり前にできてしまうことが、実は強みだったりするんですよね。

そして、努力の甲斐あって書類選考の通過率は上々。
ただ、面接では「きちんと伝えなくては」という思いと緊張から、丸暗記した台本をただ読んでいるだけというような状態になってしまうことがあり、お見送りが続出してしまいました。

企業からのフィードバックは「とても真面目な人という印象でしたが、あまり人間味が感じられませんでした」「マニュアル通り話しているという印象」というもの。
Kさんの良いところを知っているだけに、とてももどかしい気持ちでした。

そこで、Kさんと一緒に面接の猛特訓をしました。
丸暗記ではなく、絶対に伝えたいポイントだけを押さえるようにして、あとはリラックスして面接官との対話を大切に。
そして、面接での返答に正解も不正解もないので、Kさんの人柄が伝わるように、どんな想いで仕事に取り組んできたのかを本音でぶつけましょう、とお伝えしました。

希望の企業から内定!決め手は「芯があり、真面目にコツコツ頑張れる人柄」

コツコツと頑張る

マニュアル通りの受け答えを卒業し、仕事に対する熱い想いをしっかりと伝えられるようになったKさん。

面接を通過したいくつかの企業のうちの1社から無事、内定をいただくことができました。
内定企業からのフィードバックは「独学で資格取得に励んでいたことや、決められたルールをきちんと守り計画的に業務を進めるための自分なりの工夫がある」
「周りに流されずに自分の意見をしっかり伝えたことなど、ご自身の中に語れるエピソードがあり、熱い想いを持って働いてこられたということがわかりました。」というものでした。

また、「最初は控えめそうな人という印象を受けましたが、しっかりと芯があって、真面目にコツコツ頑張れるお人柄なので、安心して仕事を任せられると思いました。」
「一人で行っていただく業務も多いため、誰かに言われなくても計画的に取り組めるというところも評価させていただきました」といった言葉もいただけました。

Kさん自身も、基本的には一人でコツコツ業務に取り組む方が力を発揮できるということと、自分の人柄をきちんと見て評価してくれたということで、この企業の内定を快くお受けすることになりました。

前職では、同僚に対して真面目に注意したことがきっかけで孤立し、辛い思いをしていたKさんでしたが、現在は自分の強みを評価してくれる企業で、とてもイキイキと働かれています。

まとめ

今回は、真面目な性格の女性Kさんの転職エピソードをご紹介しました。

真面目なタイプの人は、自分に対して厳しい一面がある分、仕事や周りの人に対して厳しくなってしまう一面があります。
また、「真面目な人ですね」と言われるときは、「少しつまらない人」「融通の利かない人」といったマイナスのイメージが含まれるときがあります。
だから内面では、自分が持つ厳しさについて反省したり、「真面目ってダメなことなの?」と悩んでいたりします。

でも大丈夫です。

真面目な人が必要なことをきちんと守ることによって、規律が取れていたり、大切なことが守られて継続していったりするのです。
地道にコツコツと努力をすることで、派手ではなくても成果や効果が出て、そのことに助けられている人がいるのです。
そして、真面目な人のスキルや魅力はどんどんと向上していきます。視野が狭くなって意固地になることだけには気を付けて、その素晴らしい『真面目さ』をいつまでも続けて下さい。

(この記事を執筆・編集した人
福山結衣子さん鈴木勉 2020/1/6)

就・転職に関する無料相談はこちら